ナツメの戯言

思ったことを、思ったように。

ISIL邦人人質殺害事件について①

長いこと放置して申し訳ございません。ナツメです。

ブログの存在を自分の中で消していましたが、ISILによる邦人人質殺害をうけ戻ってまいりました。悲しく、悔しい思いです。まずは湯川遥菜さん、後藤健二さんに哀悼の意を表明いたします。心より、お二人のご冥福をお祈り申し上げます。そして、お二人のご家族、ご友人、関係者さまには、1日も早く心の平穏が訪れることを願っております。

 

今回の事件というますか、テロについては私なりに考えさせられたことが多々あります。あくまで個人の見解ですが、少しでも共有いただけたら幸いです。

 

日本におけるテロの認識

「日本もとうとうテロの標的になった」

Twitterでこのような意見を多く見かけました。果たして、標的になったのは「今」なのでしょうか?私は違うと思います。

アメリカの9.11同時多発テロは2001年。これは私が明確にテロと理解できたできごとです。時の大統領、ブッシュ氏は即座にアフガンへの報復攻撃を表明しました。そして、そこからイラク戦争へと続いていきます。日本人がテロ組織に、この時はアルカイダですが、誘拐・殺害されたニュースが立て続けに飛び込んで来ました。

 

私が日本人もテロの標的になるのだと認識したのはこの頃です。9.11から15年、日本人はこの間にあのおぞましいできごとを忘れてしまったのでしょうか?一部に安部総理のイスラエルでの演説が原因だとする声もありますが、少なくとも安部総理のせいで日本がテロの標的になったというのは違うと考えます。

 

確かに中東(イスラーム圏)と日本は、宗教問題がない分、比較的友好な関係にあると思います。しかしテロリストはイスラームではありません。襲う相手を区別することもないでしょう。そもそも対話ができないのですから。日米同盟云々という説もありますが、同盟締結は1951年です。現在に至るまで中東問題は存在しなかったとはいえないでしょう。

 

さらに事案は異なり、イスラームでもありませんが、クメール・ルージュ(ポル・ポト派)はどのようにとらえますか?私の生まれる前ですが歴史を考察してみると、これもテロ組織と言えるのではないかと思います。沢田教一氏、一ノ瀬泰造氏は、解放に対する要求こそありませんでしたが、その犠牲になったジャーナリストです。現在イスラーム圏を拠点に置くテロ組織は、解放に際し様々な要求をし、かつ広報活動もする点で巧妙でより残虐な存在だ考えています。

 

日本の平和を享受したい

湯川遥菜さん、後藤健二さんの行動力を非難することは、少なくとも私はできません。後藤さんにおかれましては、戦禍の生活、とりわけ子供達を多く取材されています。その映像で心を痛めながらも、平和な世界が訪れるよう願わずにいられないという方も多いのではないのでしょうか。お二人には無事に日本へ戻り、現地の情勢を語っていただきたかった。

 

しかし私はお二人を英雄視することもできません。同じ日本人として生きていてほしかったのです。過去の大戦で多くの日本人が命を落としました。私の身内には有難いことに戦死者はおりませんでした。しかし靖國神社へ参拝に行きます。英霊へ感謝の気持ちを込めて。今私が命の危険にさらされず、平和に暮らせることが当たり前と思い込まないように。私は今ある平和を甘んじて享受したいと思っています。死にたいと思うことは、1日に何回もあるような人間ですが最終的に生きたいという結論に至ります。死ぬだけの勇気もないのですが、生きることへの執念も並々ならぬものがあります。

 

だから人の死を聞くと悲しくなります。疲れ果てて自死を選ぶ方もいます。私は責められません。しかし避けられる策はなかったのかと考えます。今回のISILによる殺害は避けることができたと思うのです。私達が見る戦場の様子は誰かが危険に身をさらしながら必死に伝えてくれていることは理解しています。それでも日本人ならば、今ある平和を享受してほしいと思わずにいられません。職業を否定しているわけではありません。ただ「生きる」ということを一番に考えてほしいのです。また、避難勧告が出ている地域へ安易に行こうと考える一般人は、想像力を持ち、その行動による「結果」を考えてみてほしいと思わずにはいられません。

 

※②では日本国内の動きについて書きます。ちなみに私はアフガン報復、イラク戦争ともに反対の立場でした(です)。シャルリー・エブドの風刺画は批判的。集団的自衛権特定秘密保護法案は概ね賛成です。ゆえに言いたいことは山ほどありますが、基本的に安倍政権を支持しております。

 

 

ナツメ